こん!こん!がお!

注意:擬人カレシの日記&短編小説、ケモ彼!のプレイ日記&妄想日記にBL表現が一部入っております  (少しでもBL表現が入ってるのが苦手な方、BLって何?意味を知らない!という方はクリックしないでください)

お魚の君に・・・(題:それは無理だ)

【ケモ彼!】妄想日記

時間は丁度、お昼の休憩時間。
月城医大外科病棟の廊下で珍しく緋田信長が料理の乗ったお盆を持って歩いていた。
食堂で用意してもらったもので、味噌汁、ご飯、焼きサバと少々の漬物とほうれん草のお浸し。
どれも出来立てらしく、湯気が立っていた。
廊下をすれ違う看護師は普段の昼はガムシロで済ませてる彼の姿に驚いて振り返ったが信長は気にも止めなかった。
それはどこかの病室の患者の食事ではない。
自分のだったら食堂で食べれば事は終わるがそうではなかった。
何故か?自分の職場で保護されてた魚の真琴のご飯だ。
「今日はサバ定食だったから丁度よかった」
信長は美味しそうに頬張る真琴を想像して顔を赤らめながら息を吐いた。
きっと食べてる真琴は嬉しそうにかわいい笑顔で・・・
考えただけでたまらない気分にさせられる。
自分のデスクの下で真琴が水槽で大人しく自分が帰ってくるのを待ってる。
少しでも早く会いに行きたいと自然に足が速くなる。
そして、真琴が待ってる職員室のドアを開ける。

が・・・・

中は騒然としていた。
騒ぎの中心には真琴。
仕事に行く前、水槽に掛けてあった白衣は何者かによって取り除かれ、自分の机に置かれていた。
目に留まったのは水槽の中から今にもとびかかりそうなほど怒ってる真琴の姿。
相手は肥満気味の自分の部下である今河。
「ヤダ!何度も言ってるが無理なものは無理!!絶対に産まない!!」
「生意気魚!一個ぐらいよこせ!」
「はあ!?何で自分の子供をタヌキに『はい、どうぞ!』って差し出すんだ!?」
そんな謎なやり取りにあっけにとられ見ていた信長は2人のやり取りに段々イライラとしてきた。
「ちょっと人の机で何やってるんだい?うるさいよ!」
「真琴、僕は大人しく待ってろって言ったと思うけど?何やってるのかな?」
「あ!信長!」
「このタヌキが俺の卵が欲しいってしつこい!無理なのに!!」
「だから、無精卵でいいからよこせと!」
「真琴の卵が欲しいってどういうことだい!?」
「ああ、さっき休憩室で・・・真琴って川魚の『トクガワ』とか言う珍しい種類だろ?」
幸村がポンッと手を叩きいった。
「そうだけど?」
それがどうかしたのかい?と信長は首をかしげた。
「さっき、休憩室のテレビで特集してたのさ。卵に価値があるとかなんとか乱獲で自然下に生きる個体が絶滅危惧種だとかやってたな?」
「今河、さっきまで真琴が抱えてた卵は赤ちゃんが生まれちゃってもうないよ。赤ちゃんたちは僕が仕事終わるまで小児科に預けてあるし・・・」
残念だけどそういうわけだよと信長は言うとため息をついた。
「緋田先生、卵に含まれる成分が精力剤になるとか毛生え薬になるとか男性に良いとか万能薬だと聞いたんです。それで1つ・・・」
「君はくだらない話を信じてるのかい?真に受けた奴が多いから真琴たちは乱獲で自然下ではほとんど姿を消して今じゃペットとして飼われてたり、繁殖用がほとんどなんだけどね」
「真琴はペットとして・・・それ以前に妻として僕が大切に飼ってるからね。元々サバを主に雑食の魚だし、人と同じ物を与えてる。食用卵産ませるために飼ってる訳じゃないからそれなりのフィッシュフードあげてないしね?」
「もっと言っちゃえば、真琴はオスだから無理だね。メスだとしても誰にもあげないけど」
「けど、オスでも産むと・・・」
「ああ、今河その先急いで出てったから見てないみたいだな」
最後まで幸村はその特集を見ていたのだろう。
ため息交じりに呆れかえりながら今河の顔を見た。
そこで水槽の端にしがみつきながら恥ずかしそうにうつむく真琴が言った。
「俺達はその・・・オスの場合はパートナーの為だけにしか・・・挿入られた時にしか産めない・・・それ以外が無理にしても・・・体がバラバラになりそうなくらいすごく痛いらしいし、何故か卵ができない・・・メスみたいにたまに無精卵を産み落とすこともできないし・・・だから無理」
恥ずかしくて真琴はもじもじしてしまう。
「え!?そんな・・・」
それを聞いた今河は思わず固まってしまう。
「ふふふ、そういうわけだよ。真琴は僕の為にしか卵が産めない体だしね」
ニヤリと信長は笑った。
そして、極めつけに信長はこう言った。
「真琴が産む卵は当然、僕がかかわってくるからね!食べ物で卵の味が変わるのは勿論、人と魚のハーフだからどんな味がするのか?人の血や内臓みたいな味がするかもね?」
それを聞いたとたんに今河が完全に固まってしまう。
何気にのろけもはいってるセリフにあきらめざる負えないことを知る。
「なあ、信長?さっき言ってたけど『トクガワ』の卵って実際にはすっごく万能薬じゃなくてニワトリの卵とほとんど成分変わらないらしいな?」
笑いながら幸村が言った。
「あんな迷信をまだ信じてる人がいたなんてね」
信長はため息をつきながら可哀そうに今河のせいで顔を真っ赤にして恥ずかしそうにうつ向いてる真琴の前に食堂から運んできた料理を目の前に突き出した。
「真琴?あんなの相手にしないでほっとけばいい。それよりお昼ご飯。今日は君が好きなサバ定食があったから持ってきたよ?」
「お?おお!?サバ~!いただきます!」
真琴はみるみる目を輝かせると嬉しそうに手を合わせて箸を手に食べ始めた。
「ん~っうまい!!」
「相変わらず君はおいしそうに食べるね」
嬉しそうに信長は真琴の食べっぷりを眺めた。
「ふふふ、真琴はサバが本当に大好きだね。おいしい?」
真琴は口をもぐもぐとさせながら大きくうなずいた。
「オナカが空いてたんだね?ところで・・・・」
信長はじっと真琴とは違う別の方を見て睨みつけた。
「ん?」
真琴もつられてさっきから感じる目線の方に信長と同じように目をやった。
そこには固まった今河の姿が。
大きく息を吐くと信長はメスを構えた。
「今河、これはいっておかなきゃね!僕の真琴はとってもデリケートだ。何故、白衣を取ったんだ?『さわるな!』って書置きしたと思ったけど?ストレスで病気になったらどう責任を取るんだい?許さないよ!」
真琴に向けられてた優しい顔はどこへやら。キッと恐ろしい形相で睨む。
「いつまでそこで突っ立っているんだい?午後の僕の総回診に遅れたらただじゃすまないからね!」
「ひいいいいいい!」
悲鳴をあげながら今河は去って行った。
「早っ!信長?俺、そんなにでりけーとじゃ・・・」
信長の物言いに苦笑いをする。
「いいの!これ以上、真琴を晒して減らしたくないしね」
「俺は見たからって減らないぞ?」
「どうしても!真琴は僕のだからね」
顔を赤くしながら信長は真琴を見つめた。

おわり


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

お!今日は信長の誕生日ではないか!
信長、おたんじょうびおめでとう!!

そんなこんなでお魚な真琴シリーズ?はおわり。
多分・・・
書いてて楽しかったけど・・・
文がおかしなことになってたらすみません!








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お魚の君に・・・(題:俺の飼い主は信長なんだが?)

【ケモ彼!】妄想日記

前回のお魚の君。の後日談?
その後の話。
ほぼ、ギャグみたいな感じのとある日の月城の職員室の話。
短編です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

月城医大職員室で数名の医師が集まっていた。
お題は真琴のなかなか飼い主が現れないor飼い主が飼育放棄?の為、誰が新・飼い主になるか?
と、いうことで誰が里親になるかというものだ。
真琴が丁度、明柴波光秀に連れられ、プールへ行った所から里親希望の職員で集まって話し合いは始まってるがなかなか決まらない。
「しゃーない!ここは恨みっこなしでジャンケンにせえへん?」
そう言ったのは秀吉。
「おいおい、そんなんで決めて真琴が喜ぶかよ!」
幸村はため息をついた。
「そうするしかないやろ!真琴は1匹だけやし、希望者全員に平等に分けられへんし!」
「じゃあさ、くじ引きは?看護師あたりに作ってもらって公平にさ」
そう提案したのは慶次。
が、三成は否定する。
「いえ、それよりは真琴本人に帰ってきたら選んでもらった方が。本人の希望に沿った方が良いと思いますよ?」
本人がこれから共に暮らすことになるんですからと言った。
政宗もそれに賛同した。
「ははは。そうだな。本人の意見は尊重した方がいいな」
そう言ったところで光秀と真琴をお姫様抱っこした信長、何故か水の入った水槽を運ばされてる今河が入ってきた。
一同、真琴を抱える信長に眼が行った。
「あ。僕の机の下に水槽を置いてね?」
「御意!緋田先生こちらで・・・」
「うん、ありがとう。真琴を他の男にこれ以上、晒したくないからね?あと数時間もここに置いておかないと考えるとおぞましい光景だよ」
そう言って光秀を睨みつけた。
プールから戻る時に光秀に仕事してから帰れと念を押されたのだ。
「真琴、ごめんね。本当はすぐに君を連れて帰りたいけどね。ここで待ってってね?落ち着かないだろうから僕の白衣、水槽に掛けといてあげるよ。予備は沢山あるから大丈夫だしね」
そっと自分が着ていた白衣を脱いでかけた。
白衣の淵からそっと顔を出し、真琴は不思議そうな顔をした。
「みんなもう俺のこと知ってるが?」
「どうしても!僕が許さないよ!」
むっとしながら言う。
信長はデスクの上にあったいらない紙と太いペンで何かを書くとガムテープを紙の淵に付け、白衣の側面にはった。
そこには『緋田私物。さわるな!』と書かれていた。
そこで光秀がじっと信長の様子を見ていた、メンバーに声をかけた。
「真琴の飼い主、見つかったからお前ら諦めて解散!仕事しろ~!」
みるみるさっきまで飼い主になりたいと言ってたメンバーが蒼白な顔になっていく。
そして、恐る恐る聞く。
「真琴の飼い主の『信長』と、いうのは・・・?」
「僕だけど?僕以外に誰が飼い主だって!?もし、真琴の飼い主だってそいつが言うならちょっと話合いしなきゃね!」
今にも誰か殺しそうな形相で信長はメスを構えた。
それにため息をついて秀吉が心配そうに話した。
「アカン!緋田センセが飼い主やなんて。真琴、内臓出されて刺身にされてまうで~」
「白ネギ!何か言ったかい!?」
信長はギロリと秀吉を睨んだ。
「やっぱり真琴の新しい飼い主さんさっさときめんと!」
「僕じゃ不満だって言うのかい?真琴の飼い主は僕だよ!」
秀吉と信長が険悪なムードになっていく。
いつもだったら一悶着あってもおかしくないがそこで真琴が首をかしげながら声をかけた。
「ん?新しい飼い主?俺の飼い主はずっと信長だが?他はいないと思うが?」
全員がそちらを見ると白衣から顔を出し、きょとんとする真琴に先ほどまで飼い主になると意気込んでたメンバーが眼が点になる。
「おいおい、信長のペットの割には健気すぎないか?」
驚いたのは光秀。
「せやな」
それにうなずいたのは秀吉。
「というか、飼い主が現れたとたんに真琴、可愛さがましてません?」
呆然としながら長政が言った。
「だよな?あの信長が好きなんてな」
幸村がため息を漏らした。
そんな彼らのやり取りを気にも止めず、信長は掛けられた白衣からひょっこりと顔を出す真琴の頭を名残惜しそうに優しく撫ぜた。
「真琴、仕事に行ってくるね。けど・・・」
「ん?どうした?」
真琴は首をかしげながら信長の顔を覗き込むと思い出したようにポンと手を打った。
いつものお出かけの時のあれをやってほしいんだと真琴は悟った。
そっと信長の頬に手を伸ばし、キョロキョロと周りを気にしながら顔をあからめる。
「いってらっしゃい、ご主人様」
チュッ
一瞬ではあったがそっと信長の口に付けた。
「真琴?君、意外に大胆なんだね?」
信長本人としては『ここにやっぱり一人きりで置いておくのは気が引ける』と言いたかったが真琴に勘違いされたようだ。
自分としては思わぬサプライズ的に。
そんな驚く信長をよそに真琴は恥ずかしそうに顔を赤らめながらうつ向いてる。
「飼い主を嫌いなペットはいないと思うぞ?」
「ふふふ、やっぱり真琴はカワイイね。いってきます」
信長はにこやかに笑った。
何故、信長が笑ったのか?大胆だね?なんて言われたのか?すぐにわかる。
気がつけばさっきまで騒いでたメンバーの視線が自分に向いてたから。
そして、その様子を見ていたメンバーは真琴の新・飼い主になることを嫌でもあきらめざる負えないことを知ったのだった。

お魚の君。

【ケモ彼!】妄想日記

今回はケモ彼!
妄想爆発小説・・・?かな?
ミニシナ、俺のペットは世界一可愛いより。
CPは信長×真琴のパロです。
なんだろうね?
少し前だけど、改めてミニシナ読んで思い立ったんだよ。
ペットとして大切にかわいがってて・・・が、ある日・・・
なんてことになったらって。
都合上、擬人カレシのうちのキャラ、ゆうま先生とミケがちらっと出てきますw

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「みっちゃん、どうしよう?拾ってきちゃったんだけど・・・」
急に研究室に訪れ、困った声を出しながら慶次は腕に抱えてるモノを見せた。
「は?一体、何を・・・ん?」
机に向かっていた三成は慶次が抱えたモノを見て思わず固まった。
それは思ったより大きなもの。
鱗の生えたしっぽに尾びれ。
明らかに魚だ。
魚は大切そうに1つの大きな卵を抱えていたが意識はなくぐったりとしていた。
よく見ると切り傷やらかすり傷があった。
「悪質なブリーダーから逃げてきたのでしょうか?」
「虐待にあってたのかも?」
慶次が抱えてる魚の頭をそっと三成は優しく撫ぜ、心配そうに魚の顔を覗き込んだ。
そのまま放置しておくにもいかず、研究室の片隅にあった空きの水槽に水を入れその魚をそっと入れた。
魚は相変わらず、意識がなくぐったりと寝ていた。
「ここには医師はいても獣医はいないよな~?」
慶次はこの魚の事を見てもらいたいと思うがどうすることもできない状態にため息がもれた。
「当たり前でしょう!医師しかいませんよ。患者に獣医がいれば別ですがね」
三成はくいっとかけてた眼鏡を上げた。

そのまま慶次は仕事に入ったわけだが、魚の事が気になってしかたがなかった。
外科病棟の前を通りかかった時、ある病室から声がした。
どうやら医師と患者が他愛もない会話をしてるようだ。
「なん?医学書と獣医学書・・・こっちは昨日でたばっかの医学雑誌で…こっちは獣医学雑誌で…」
「俺、こう見えて一応、擬人の医師ですから。さすがに自分の勤務する病院は落ち着かなくってごめんだし、少し離れたこの病院に決めたんですよ」
「うわあ~同業者だったんかいな。アラ探しされてそうでいややわ~で、擬人の医師ちゅうもんはどんな?」
「もう!豊白先生、あら探しなんかしませんよ!」
くすくすと笑う声がする。
「扱ってるのが人間になりたがってる動物で俺たちは擬人と呼んでるんです」
「けど、普段は人の姿してるけど体力がなくなったり病気になるとどうしても動物に戻っちゃって。だからそれの医師となるとどうしても獣医師免許と医師免許両方必須な職種なんです」
「それで両方の医学書を読んでるんかいな。ケモノ症みたいに発情期とかはあるん?」
そこで別の人物の声がする。
「人の姿貰った時からケモノの時みたいな発情期なんて!」
「げ!ケモ耳と尻尾出たやん!発情期とちゃうん!?」
「ほらミケ、深呼吸して~素敵な耳とモフモフ尻尾しまおうね~」
「豊白先生、驚かせてごめんなさい。半人前だから少しびっくりしたり、興奮してもこのありさまで」
そんな会話が廊下まで聞こえる中、意外にも簡単に獣医が見つかったかもと慶次は心が躍った。
これであの魚を助けることができると。
気がつけば、その彼がいる病室のドアを開けていた。
何事かと中の人物達は驚いていたが慶次は頭を下げた。
「ごめんなさい!声が廊下まで聞こえて。急で申し訳ありません。お願いします!助けてください!」
慶次の言葉に二人は顔を見合わせた。
「急患かいな!?」
驚く秀吉。が、慶次が求めていたのは当然、医師の彼ではなくもう一人の患者の方。
「え!?豊白先生にじゃなくって俺!?なんで?」
すぐに事情を話し、どうしたらいいのか?困ってることを話した。
「わ、わかりました。俺で力になるんだったら。確かにそれじゃあ医師はたくさんいても多分、俺くらいしか見れませんね」
「前木センセも運良かったわ。如月さん、明日には退院だったんよ。今、退院前検査終わって病室に帰って来はったとこだったんや」
にこやかに秀吉は答えた。
「ゆうま、魚が大変みたいだけど魚なんて診れるんか?」
心配そうに尋ねるミケにゆうまは所要範囲内だから大丈夫と答えた。
そのままミケは病室で待ち、秀吉と慶次に連れられ、研究室へ。

「あ。この子?赤ちゃんがいるんだ。何分くらい外にいたんだろ?卵、大丈夫だといいけど・・・」
ゆうまは着ていたパジャマの袖をまくり、そっと水槽の中に手を入れた。
そのまま、診察していく。
「命に別状ないです。ちょっと気を失ってるだけで。この怪我は他の動物に襲われてついた痕だね。状態から言って肌も整ってきれいだし、鱗も艶があるし、極端にやせ細ってないし、飼い主に虐待されたとかじゃないね。むしろ、肌が荒れないようにとか栄養状態とか考えて大切にされてた感じ」
飼い主さんが今頃、いなくなってとっても心配してるんじゃないのかな?と、言った。
「あとは・・・オナカが卵詰まりおこして痛くて気を失ってるとかも考えられますが・・・」
そっと腹に手をやった。
結果はすぐにわかった。その確率も無いということ。
「やっぱり猫かカラスに水槽から無理矢理出されて抵抗して何とか逃げたけど息が続かなくなったってところですね。魚だからあまり外で息ができないから。あとは・・・ベビーの方だけど、しっかり抱きこんじゃってるし」
ふうとため息をつくと、こう付け足した。
「まあ、こんなに大切に抱きかかえてるんだったら卵が死んじゃってるとかの心配もほとんどありませんね。見た感じ、乾燥してるとかヒビが入ってるとかも無いし。発見が早かったみたいで大丈夫ですよ」
「そっか~よかった」
「に、してもどっから来たんやろ?」
「あ、あの~この子のご飯ですが主食はサバで・・・お魚付きでしたら味噌サバ定食でも焼き魚定食でもなんでも喜びますから。起きてオナカすいてるようでしたらあげてくださいね。明日の朝までは病室にいますが一応、何かあった時用に・・・」
研究室の主状態にある三成にゆうまは連絡用に名刺を渡した。

それから数分後、魚を見てくれたゆうまは秀吉と共に病室に帰り、慶次も仕事に戻って魚と三成が二人っきりで研究室に。
三成自身もようやく落ち着いて静かに研究ができると思った途端に魚は目を覚ました。
「ん?わあああああー!こ、ここどこだ!?」
バシャバシャと尾びれを叩くように水に音を立てて見慣れぬ場所に魚がパニックになる。
水は水槽から溢れ、床がみるみる濡れていった。
突然のことで驚いたのは研究室の主だ。
三成と目が合うと更に魚はパニックだ。
「何だ!?俺をカラス使ってこんな所に連れてきてどうするつもりだ!?俺を信長の所に帰せ!」
しまいには水槽から飛び出して逃げ出そうとする始末。
が、尾びれでは陸の上では満足に逃げ出すこともできず、その場でバタバタと跳ねることしかできなかった。
そうこうしてるうちに息苦しくなってしまい、息があがってしまう。
「はあ・・・はあ・・・の、のぶなが・・・のぶなが・・・た・・・たすけて・・・」
そんな魚を三成は呆れかえりながらそっと抱き上げ、告げた。
「落ち着きなさい!何もしませんよ」
「でも・・・かえりたい・・・かえりたい・・・」
魚の目が涙ぐんだ。
「なら、ここで大人しくしてて下さい。まったく自殺行為な・・・」
はあと呆れかえりながら大きくため息を吐くと元の水槽の中に魚を放り込んだ。
「あなたが何をしていたのかとか知りません。ただ、道端に落ちていたそうです」
それを慶次が保護したのだということを教えた。
状況を知り、ようやくこの人は何もしないのだと安心したのか?魚は自分に『真琴』という名前があることを伝えた。
そして、自分の飼い主の名は信長だということを伝えた。
「真琴という名前は信長が付けてくれた。信長は俺の事、大切にしてくれて。けど、昨日いつもだったらどんなに仕事が忙しくて遅くなっても日付が変わる前には帰ってくるのに帰ってこなかった」
朝になっても・・・と、寂しそうに真琴は言った。
「で、心配になって俺、信長に浴室の窓は開けてはだめだと言われてたけど、信長が帰ってきていないかと見ようと思って・・・何とか這いずって行って開けて・・・そしたら信長じゃなくてカラスが何羽か入り込んできて前の日に産んだ卵3つのうち2つ割られて・・・」
これが最後の1つと言うと大切そうに抱きしめた。
「そして、あなた自身もカラスのエサになりかかったと・・・」
真琴は大きくうなずいた。
「わかりました。必ず飼い主の信長さんを見つけてあげますよ」

三成は真琴の一時保護の許可を取るために水槽に入った真琴を抱えて外科部長である光秀の元へ来ていた。
「と、言うわけのようです。暫くここで預かって飼い主のもとへ帰してあげたいのです」
「ああ!?魚なんざ、池にでも放り込んどけばいいだろ!ここは病院だ!魚なんか持ちこんで・・・うっ」
三成に怒鳴りつけていた光秀が急に黙り込んだ。
真琴と目が合うと飼い主と離れ離れになり寂しそうに今にも泣きそうな顔から目が離せなくなった。
『なんだ!?こいつ、カワイイんじゃねえか?』
何故か顔を赤らめる光秀がそこにはあった。
「真琴?お前の飼い主、どこに住んでる?仕事何やってんだ?」
先ほどまでと違い、光秀は心配そうに尋ねた。
「えっと・・・俺、外に出たことが無いから住んでる場所は知らない。信長は病院で医師をしてると言ってた」
光秀と三成は思い当たるある一人の人物に眼を丸め、お互いに目を合わせた。
「まさか、緋田か!?」
「魚など飼うようには見えませんが?」
「ヒダ?何だそれは?信長は信長だが?」
真琴は信長の名字など知らなかった為、首をかしげた。
「信長だったら、家に行ったことあるが魚なんて飼ってなかったな」
「はっはっはっ!そうだな。こんなに可愛い魚だったら一度で覚えてるが見たことないから多分、飼ってないな」
信長の同期と言う幸村と政宗も来て首を傾げた。
「へえ~真琴っていうんだ~オナカ空いてない?」
長政が嬉しそうに優しく真琴の頭を撫ぜる。
「魚、目がさめたんや!同じ信長でもえらい違いや!緋田センセやったら『内臓が見たい!』とかゆーて、真琴の腹掻っ捌いて今頃、刺身にされてるんとちゃうん?いつもメス持って歩いてるんよ」
気を失ってる時から見てる秀吉は双方で違う瞳を細めながら言った。
気がついたらいろんな医師が興味深そうに真琴の周りに集まっていた。
真琴は彼らの会話に珍しそうにキョロキョロとさせていた。
こんなにたくさんの人がしゃべってる所を見たことがあったろうか?
自分の為に信長の所へ連れて行ってくれるかもしれない彼らに胸が躍った。
「ここら辺の病院や町医者で信長と言う名の医師、調べてみましょう。あと、カラスが真琴くらいの大きさの魚を持って飛べる飛翔距離調べてその範囲内にいる信長さんを調べて。真琴、すぐに見つかりますよ」
結果、真琴はそのまま月城医大の職員室でお世話になることになった。
「そういえば、今日は緋田を見ませんね?」
いつもだったらいるはずの姿が一人いないことに三成は気がついた。
「あいつか?緋田は何でも病弱な嫁さんが家から行方不明になったんだと。大方、夫婦喧嘩でもしたんだろう。ショックで寝込んでるらしい」
はあ~と光秀はため息をついた。
「明柴波、あれか?病弱で部屋の外から出られないとか?遊びに行っても姿を見たことないけどな」
無事にかえってこれば彼もいつも通り出勤してきていつも通りだけどなと幸村も考えた。
「そのヒダさんも大変だな」
会話を聞いて真琴も見たことも会ったことも無い彼のことを心配した。
自分はすぐにも信長が見つかってすぐに卵と共に帰れるだろうと考えた。
静かで居心地が良いかもしれないが研究室はそのまま水槽を置いておくには研究の妨げになると考えられ、このまま真琴は光秀のデスクの傍に水槽ごと置かれることになった。
光秀達は仕事の合間にご飯をくれたりと世話をしてくれ、信長の事を探してくれた。

ところが・・・
努力も空しく、何日たっても信長は現れなかった。
日にちが経つにつれて真琴も不安しか出てこなくなった。
「もう信長は俺の事いらなくなったんじゃないか?」
「きっと俺の代わりに他の魚が来ていて信長はその子を可愛がっていて・・・」
考えれば考えるほどマイナスな考えになっていく。
『この卵達は真琴と僕の愛の結晶だよ?真琴、生まれるまで割らないように大切に抱えていてね?』
ふわりと優しい信長の笑顔と共に包まれる暖かさ。
自分も信長に優しく笑って『信長は人だから水の中で息ができないもんな。この卵達、信長の分も俺が生まれるまで抱えてる』そう答えた。
本来は二匹で交互に抱えるが片や人で片や魚。無理なものは無理だ。
仕事から帰って来た信長が抱卵できない自分に残念そうに「本当は君に任せっきりじゃなくて僕も協力して抱いててあげたいけどね。真琴がマタニティーブルーにならないか心配」なんて言いながら自らもいつも真琴がいる浴槽の中に入って寄り添ってくれて。
そっと真琴が抱える卵を優しく撫ぜる。
「真琴?この子達は男の子かな?女の子かな?僕に似てる子かな?真琴に似てる子かな?」
陽だまりの中にずっといる様に暖かく感じていたのに。
それが今はない。
自分達、魚の掟ではパートナーとの卵を自ら割ってその場を離れるのはパートナー解消を意味する(人で言う離婚)と言うものがあった。
天敵に割られたとは言え、あれでは信長から見ればどう見えるか?
「俺、どんな理由にしろ大切な卵を割ってしまったから信長に嫌われた?信長はもう迎えに来ない?」
水槽の底に卵を置き泣き崩れる。
信長と会えない寂しさと事件のショックでその日から真琴は卵を抱えるのをやめてしまった。

真琴が抱卵をやめて2日たった昼過ぎ、珍しく仕事中の光秀が水槽の端を軽く叩きながら声をかけてきた。
顔を上げると光秀がデスクから振り返っていて自分をじっと見ていた。
普段は光秀がどんなに声を上げて仕事してようが真琴は気にも留めなかった。
なるべく仕事の邪魔にならないようにとそっとしていた。
光秀も仕事中は真琴に声をかけることも無かったのに。
そんな状態だったから急に呼ばれ、真琴は驚いた。
「おーい。真琴クン、そんなところでめそめそ泣いてないでプールに泳ぎに行くか?そんな狭い所じゃ気も滅入るだろ」
ニヤリと光秀が笑ったかと思ったらそのまま真琴が入った水槽を運び出した。
驚いたのは真琴だ。
プールも何も他のところで泳ぐ気はみじんもない。
「俺はここでいい。プールなんて人じゃないから泳がない。そもそもそんな気分にならない」
真琴は頬をぷっと膨らませてそっぽを向いた。
が、水槽を運んでるのは光秀。
容赦なく連れて行かれる。
「いいじゃん、真琴クンたまにはおじさんとデートして?」
「誰が!」
先ほどまでのしょぼくれた彼はどこへやら。
今度はぷんすかぷんすかと怒り出した。
「真琴クン、カワイイのな。俺、惚れちゃったな。付き合って?」
ニヤニヤしながら光秀が言う。
「はあ?はあああ??」
「卵の赤ちゃん、ちゃーんと面倒見るから~ね、真琴クン」
「嫌だ!これは信長と俺の子だ!誰が!」
いつやらの天敵(カラス)が又、来たのではないか?と思える衝動に駆られ、真琴は警戒した。
それもそのはずでパートナー以外のオスに渡すということはそのオスが自分『だけ』の子孫繁栄を望んでるわけで他のオスとの卵は割られるという自然下でのルールがあるから。
「おいおいオジサン、真琴クンの大切な卵取り上げないぞ!そんなに警戒するなって!」
「これは絶対に渡さない!」
真琴は抱きかかえるのをやめていたはずの卵をサッと抱きかかえ、声を挙げた。

廊下を通り、とある部屋まで来るとドアを開けた。
中にはおおきなプールがあった。
誰もいないらしく貸し切り状態だ。
「思ったより元気でなにより。今日はリハビリテーション科のプールが明日の水入れ替えの為、昼から休みなんだわ。真琴クン元気ないし、オジサンが特別に頼んだんだ」
ど?惚れた?と、言わんばかりだった。
「広い所で少し思いっきり泳いで来い!」
そう言って水槽を傾け、真琴を卵ごとプールの中へそっと入れた。
「ありがとう」
まだまだ寂しそうな顔をしてるものの、なんとか笑顔を見せ、そのまま真琴はプールの底へとヒラヒラと尾びれを動かしながら泳いで消えていく。
それを見送り、光秀はひとり呟く。
「本気だったんだけどな~真琴クンに振られたな。なーんて。卵の件、どうなるかとヒヤヒヤだったが大丈夫そうだな。さてとお姫様の為に・・・」
光秀はポケットから携帯を取り出した。
病院内の連絡用のものだ。
それをある場所に電話をする。

暫くして機嫌が悪そうな顔をして呼び出しを食らった人物はプールサイドに入って来た。
「僕をよびだしてなんだい?つまらないことだったら許さないよ?」
懐からメスを取り出し、光秀の首元へ。
「物騒な物しまえ!ここにいるお前の大ファンだって言うお姫様に逃げられるぞ!」
やれやれと言わんばかりにため息を漏らし、手で制止する。
「僕は興味ないよ!急患だって言うから来たのに時間の無駄だね。戻らせてもらう!」
「興味ないか。そっか。お姫様は魚だから出たくても水の中から出れないんだわ。君の『大切な真琴クン』はな」
「真琴!?」
「誰かさんの元に帰りたくても帰れねえし、毎日、誰かさんの名前ばっか呼んで寂しそうにしてたからなあ~食欲もあんまないみたいで誰が食事与えても少ししか食わないし、完全に病にかかってるわけ。石黒とかも調べたけど特効薬の『信長』と言う名の医師はどんなに調べても月城と月城周辺には緋田、お前しかいないんだわ」
「真琴がここにいるのかい?けど、それはないね。真琴は二週間前に卵を粉々に全部割られ、天敵の何かにさらわれたんだ・・・」
信長は顔を曇らせた。
「明柴波、すっごく屈辱で嫌なこと思い出させないでくれるかい!?何で僕のカワイイ真琴があんな奴らのエサに!?思い出しただけでもおぞましい出来事、人生で一番最悪!真琴を食らった奴が見つかったら腹を掻っ捌いてやりたいね」
あの惨劇を思い出すだけで腹が立つのだろう。信長はメスを再び構えた。
「緋田、だからその真琴がこん中にいるっつーの!」
「そもそも何で君が真琴の名前を知ってるんだい?あの子の事は誰にも話してなかったし、会わせたこともなかったハズなんだけどね」
「信じらんねえんだったら構わない。ここで保護してる間に真琴に情が沸いた医師が数名いる。生まれてくる赤ん坊ごと面倒見たいって名乗り出てる。真琴をいつまでもこんなところに置いておくのも可哀そうだしな」
「真琴を僕以外の元に?許さないよ!このプールの中にホンモノの真琴がいるなら・・・の話だけどね」
光秀と信長の言い合いはしばらく続いた。
が、光秀から真琴を誰かに譲渡する話が出ると信長はこの男がそこまで自分をからかうかと言うと違う気がした。
このプールに自分にとって大切な真琴が本当にいるいるのでは?という気がしてくる。
現にこのプールの中では何か生き物の気配はしてた。
「明柴波、嘘だったら許さないよ!」
さっと持っていたメスを信長は水面に向けて構えた。
「緋田、何するつもりだ!?」
光秀は信長が急にメスを構え、プールを睨みつけるように見たので驚いた。
まさか、中にいる魚(真琴)を殺す気か!?とさえ思えたが止める間もなく信長は手にしていたメスを勢いよく投げ入れた。
「こんなに深かったら水面より上から声をかけても真琴にはうまく声は届かないからね?真琴を呼ぶんだったらこれで十分。水の中ではとっても真琴は耳が良いからね。僕の投げたメスだってすぐに聞き分けれる」
「偽物だったら床にメスが落ちただけで金属音にびっくりして逃げるだけだよ」
ふふふ、楽しみだね?と、最初から試す気満々で信長は不気味なほど笑いながら水面を眺めた。
メスが水に沈んで行くと底にそのままついたらしく、キーンと底から水面の上まで音が響いた。
それと同時だろうか?
急に水の中が騒がしくなった。
明らかにメスの音に反応して水の中にいる真琴が動いているのがわかる。
水の中に影が見えたかと思うと水面からひょこっと顔をあげた。
「の・・・のぶなが・・・?」
信長の顔を見つけると喜ぶかと思われたが真琴はとても辛そうな顔をした。
やっと会えたことは確かに嬉しい。
が、そんな彼に辛い顔をさせてしまったと考えるとどう話していいのか?わからなかった。
そっと信長がいる傍まで泳いで行くとそのままうつむいてしまった。
「真琴?僕の真琴なの?」
心配そうに信長は真琴を見つめそっと手を伸ばした。
うつむいたまま、真琴はそっとうなずく。
「お、俺・・・俺・・・ごめんなさい。ごめんなさい・・・卵が・・・」
大切な卵が守れなくて大粒の涙がこぼれた。
このまま嫌われるかもと思ったが・・・
「真琴、君だけでも無事だったんだね。あの日の朝、病院から帰ってきたらお手伝いさんの悲鳴が聞こえて。君がいつもいる浴室が血だらけだし、真琴が夜に折角産んでくれた僕たちのカワイイ卵が2つ共粉々だし、何より真琴の姿がなかったから崖から突き落とされた気分だったよ。この僕をこんな気分にさせるなんて許さないよ」
そっと水面でうつむく真琴の頭をそっと撫ぜた。
「卵は残念だったね。でも産んでから数時間だったから黄身と白身だけだったのが幸いかな?まだ何もできてなくて赤ちゃんは苦しまなかったし。又、僕たちの愛の結晶を沢山作ろう?」
一瞬、ニヤリと信長はヤラシイ意味で笑ったが相変わらず、落ち込んでる真琴を見るとすぐに心配そうに眺めた。
「おいで?真琴。できるよね?おいで!」
信長が手を広げ指示を促した。
それは真琴に教え込んである言葉だった。
それを言われたら自分はどうするべきか?真琴は当然ながらわかってる。
何があっても信長から教えられたことは絶対だから。
真琴はうなずくと水面からジャンプして手を広げる信長の腕の中に抱き着いた。
そして、「信長大好き」と、言うと軽く触れるくらいのキスを信長の口にする。
「ふふふ、よくできました。やっぱり僕の真琴だ。怪我は大丈夫なの?傷がパックリだったら僕が傷跡が残らないように縫ってあげよう!」
自信満々に信長は抱き着いてる真琴に言った。
するとようやく顔を上げたが真琴は何やら今度は恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「その必要はない!あれは・・・俺とカラスが争った時に俺が思いっきりカラスに噛みついたからで・・・だからカラスの血で。俺はカラスにつつかれてさらわれた時に引きずられただけ。かすり傷程度だったからここに来てから少ししてから完治してる。大丈夫だから」
そう言うと安心してくれとでもいうように尾びれを少しパタパタとさせた。
「それにしてもなーんで浴室にカラスが入るんだい?夜見た時は戸締りしてあったよね?そもそも開けないし。僕の職場にいる理由は他の医師に聞いたから解ってるけど」
真琴は信長のそのセリフにギクリとなった。
信長に言ったら殺される!?なーんか顔が怖いと思いながらしどろもどろではあるが正直に話した。
「お、俺・・・信長が急患だって夜、出たきりで朝になっても帰ってこなかったから・・・そしたら救急車の音がして・・・もしかしたら信長がって心配になって・・・窓を開けたらカラスが・・・・」
あの出来事を思い出しただけで恐怖で震えが止まらなかった。
信長にもその震えがわかるくらいに。
「一瞬、拐われたけど卵の件もあって腹立ってたし、このままでは俺もカラスのエサで冗談じゃないって思って尾びれで思いっきりビタンッ!とはたいたらカラスが怯んで俺を道に落として・・・」
眼からは大粒の涙が再び零れ落ちた。
「で、息が続かなくて気を失って道に落ちていたら真琴を偶然、通りかかった慶次が拾ってここに連れてきたってことかい?それは怖い思いしたね」
信長は優しく頭をなぜてやる。
「僕の事、心配させてしまってたんだね?でもね、真琴?あそこは開けちゃダメだって言ったと思うけど?お仕置きが必要かな?」
信長は恐ろしいほどにっこりと笑った。
それを見て真琴はビクッとなったがそうなることは信長は想像ついたのだろう、先ほどまでと違いふわりと笑った。
「困った子だね。今日はこれで許してあげるよ。君が無事だったし、僕の方が心配させちゃってたみたいだしね」
真琴の唇にそっと自分の唇をかさねた。
「おかえり。僕たちのかわいい子供たちがおうちでママの帰りを待ってるよ」
ようやく真琴も信長の所に帰れた事に安堵して信長に先ほどまでと違い嬉しそうに強く抱きしめた。

「あ。そうだ!信長、言ってなかったが見てもらいたい」
急に思い立ったように言うと信長の腕からするりと抜け、真琴はプールへドボン!と音をたてて入って行った。
そのまま待っていてほしいと言うと水の中に消えて行った。
何を見せてくれるのかと首を捻っているとすぐに真琴は卵を抱きかかえて戻ってきた。
信長はいつもより大きめの卵に息をのんだ。
「そ、それはなんだい?」
思わず驚いて声が引きつってしまった。
今まで何度も真琴が卵を産んで抱卵してるのを見たことあるが一回りくらい大きい気がする。
「あの日、信長が急患が入ったって病院に行ってから産んだ。どうしても俺、性質上入れられただけ卵を産んじゃうから。3つ目の卵。いつもより重い気がするんだ。この子もパパに会いたがってたと思う。少し抱っこしてあげてくれ」
水の中から信長にそっとその卵を渡す。
「もう一つ産んでたんだね。ふふふ、こんなに大きな子がいたなんて・・・じゃなくて双子かもしれないね?もう産んでから2週間?そろそろかな?真琴、楽しみだね・・・ん?」
卵を抱きかかえ優しく撫ぜていた信長の手が急に止まった。
微かに動いたような?そんな気がした。
不思議そうにしてる信長に少し笑いながら真琴は首を傾げどうした?と声をかけた。
「真琴、今動いたよ」
「え!?本当か?」
「あああーっ!真琴!卵にヒビが!」
急いで信長は割れかけた卵を真琴に返した。
「うわあああーっ!!」
急にこちらへ帰されても俺もどうしたらと真琴も戸惑う。
が、流石になれてるだけあってすぐに持ち直した。
そして、水の中で卵のヒビはまるでパパである信長を待っていたかのように見る見る大きくなり中から元気な信長にそっくりな赤ちゃんが二人出てきた。
信長と真琴の子は人間と魚の間に生まれた子。
今、家にいる子達を含め、陸でも水の中でも生活できるのでどこにいても問題はない。
生まれたばかりの赤ちゃんが産声をあげ落ち着いたころ水面から真琴は赤ちゃんたちを抱きかかえ顔を上げた。
「信長、お前にそっくりな双子だったぞ!」
「ふふふ、珍しいね?双子なんて。僕には凄く嬉しいサプライズだよ!」
そのうちの一人を真琴から預かり、抱きかかえると嬉しそうに信長も笑った。
「ところで・・・」
先ほどのやり取りを思い出し、やれやれと言わんばかりに真琴は苦笑いをした。
「信長?この子達のパパだろ?」
「真琴、僕はこの子達のママになるつもりはないよ!パパだからね」
むっとしながら信長が言うと真琴はぷっと吹き出して笑った。
「何がおかしいんだい?」
「鳥の雛じゃないから生まれてすぐに見たものを母親だって思わないけどな。俺と信長の子だからどの子でも生まれた時から信長の事をパパだってわかってるぞ?」
「あ。それもそうだね」
信長は自分の腕の中ですやすやと眠るわが子を眺めながら言った。

つづく・・・かも。
とりあえず、おわり


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水之瀬悠真

Author:水之瀬悠真
・ただいま擬人カレシにアホみたいにハマリ中。
携帯が離せないこの頃(^^;
・我が家のフモフモさん、セピアふもも(1L)のまっちゃを始め120フモ(2008年12月現在)のフモフモさんと楽しくいつもまったりフモフモしています!
・フモフモさん、もやしもんの菌、suicaのペンギンが好きです!
ただいま増殖中~。

-ブログに出てくるキャラ-
『フモフモさん日記』
・まっちゃ:セピアふもも(1L)
たまにMサイズに化ける。
旅行とかお散歩が大好き!
好奇心旺盛なフモフモさん!

『擬人カレシ-ミケの日常-』
・ミケ:きつね
性格クール。
一番兄的存在です。
先生(ゆうま)と恋人同士。
・巴衛:きつね
性格は泣き虫。
でもがんばりやさん。
・レン:おおかみ
軟派で奇人。
ゆうまに言わせるとアホ。
でも実は料理が得意。
・ハヤテ:おおかみ
公式1人目。
性格は爽やかで軟派。
レンの実の兄。
老若男女問わず人が好き。
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性格は俺様
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が、実は優しく人を気遣う所も。

セルフィ

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