【擬人カレシ】ミケの日常(小説)

ササメが来た日のできごと 1

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「おねがいします!」
「ゆうま先生の所ですか?あそこは大人数クラスの登録してあるので少人数クラス希望のササメさんには無理ですよ」
ため息をつきながらアニマル部のシオンは答えた。
少人数クラスは1人から多くても4人。
大人数クラスは教師歴1年半以上で1人から4人以上4人単位にその教師が希望する枠を登録するシステムになってる。
そのゆうまも少人数クラスから大人数クラスを半年くらい前に始め、3枠(最大12人)登録している。
生徒も今のところ、7人でその生徒の今のレベルを考えても空席は今のところ、2席ある。
いつもだったら枠も空いてるし、シオンも快く「ご本人にも引き取ってもらえるようにお願いしてみましょう」という流れになってくるのだが今回はそうも行かない。
ゆうまの所は実はその本人も知らないことだが、やたらと希望する生徒が多い教師の一人だ。
希望するすべての生徒をこちらですべて送ってしまったらと思うがそうも行かない。
ゆうまには本業があり、それも意外にハードな職種だからだ。
こぞってゆうま先生の所へ行きたい!と願う生徒たちの望みを叶えてあげたいのはやまやまだが。
「希望してるほかの子達にも言ってるのですが無理です。擬人のクオーターみたいだし、親近感がわくとかはわかりますが・・・」
「そうじゃない!そこに兄弟もいるし、それだったらって思って。1人よりはいいかなとか・・・だからゆうま先生の所に行きたい!」
「でも、根本的な問題ですがゆうま先生自体、今のところ生徒の受け入れ希望してないんですよ。無理ですね」
「そんな~どうしてもダメ?」
「ダメではないと思いますが無理ですね。諦めてくださいね」
「でもでも・・・イタッ!」
急に後ろから軽く自分の頭を叩かれた。
振り返ると見慣れない白い髪をして頭にオオカミと思われるとがった耳、尻にはふさふさのしっぽが生えた青年だった。
服装は医療部の白衣をまとっていた。
どうやらアニマル部の用事でこちらに来たのだろう。
「こ~ら!お前、こんな所まで来て何シオンさん困らせてるんだ!?ん?」
そういうとじっとササメの顔を眺めたかと思うと首をかしげた。
「あれ?ミケかと思ったら違う・・・か?ごめんな。うちの生徒がシオンさんに何か言って困らせてるんだとばかり・・・」
どうやら自分のことを誰かと勘違いされたらしい。
「ひゃあ、あの・・・あの・・・」
驚いてササメは何を話したらいいのか?
が、その人物は何もなかったかのようにシオンに目を向けた。
「あ。シオンさん、生徒たちの成績表持ってきました。郵送でもいいかな?と思ったけど、一応部署が違うだけで同じ職場だから」
そう言って腕に抱えたいくつかのファイルをシオンに渡した。
「ごくろうさまです・・・あと・・・・」
受け取るとシオンが言いかけたところでその人物はまだ用事があるようで次の事を話し始めた。
「そうそう、予防接種の件!それも話し合わないとって思って!」
「そうなんです!多分、注射怖がって獣化しちゃう子が例年通り何人かいると思うんですよ・・・」
ササメから見てこの人はシオンと仲が良さそうだし、しっぽとケモミミがあるところを見ると卒業生で研究所の医療部に勤めてる人だろうと捉えた。
「にしてもゆうまさん、しっぽと耳大丈夫ですか?なれました?」
何故かシオンが心配する不思議な会話。
疲れれば誰だって擬人だったら耳としっぽくらい出るはずなのにとササメは思えてならなかった。
「え?ああ、おかげさまで。今日は夜勤明けだから。で、この打ち合わせ終わったら仕事終了です。リハビリのおかげで自分でひっこめることができるようになったけど気が抜けちゃって。大丈夫ですよ」
「そうでしたか。お疲れ様です」
暫く二人の会話は続いた。
それをじっと聞いていたがふと医療部の彼が不思議そうにササメを眺めた。
「ところでシオンさんこの子は?その作業着のような制服は待機生徒?白色だからキツネさん?」
「え?ササメさん、まだいたのですか?大事な話がありますから部屋に戻っていてください」
「ああ、帰るタイミングがわかんなくなってたのかあ~ごめんね。あ!これ食べる?うちの生徒と作ったんだけどラブナッツを砕いて作ったクッキー。シオンさん、彼に餌付けしてもいいよね?」
「ええ、かまいませんよ。ササメさん、よかったですねえ」
「シオンさん、ゆうま先生に聞いといて。無理だとしても・・・おねがい・・・」
ササメが部屋に戻る間際に言ったセリフ。
ゆうまには彼が思いつめた顔に映ったのだろう。
急に自分の名前を出され、驚いたのはその『ゆうま先生』だ。
「え?何?俺に何か用があったの?」
「うそ!?本人なの?」
ササメは目をぱちくりしながら驚いた。
思わず耳まで出てしまうほどに。
「ササメさん、本人です。ほら、ゆうま先生の胸につけてる名札・・・気がつきませんでした?」
シオンは気を遣うように優しくササメに話しかけた。
「え?ひゃあああああー!!あ、あのあの・・・ミケの先生の??どうしよう・・・どうしよう・・・」
本人が目の前にいるなんて思わなかった。
あまりに唐突だったから何故かガタガタと体が震えてしまう。
「なになに!?どうした?俺にそんなにびっくりした?そんなに緊張しなくても・・・」
「目の前にいるなんて思わなかったコン。えっと・・・あの・・・・その・・・・コン」
「ちょっとササメさん、落ち着きましょう!ね?」
「あ~あ、そんなにびっくりした?大丈夫、大丈夫だから!」
心配そうにゆうまもササメの頭を優しく撫ぜた。
結果、ゆうまとシオンを困らせただけ。
が、ササメとしては成果があったのだろうか?
ゆうまが仕事終わってから話だけはってことになり、シオンが事情を説明して急きょ面接をすることになった。

ゆうまの仕事が終わるまでササメはシオンも仕事の途中ということもあり、アニマル部のふちにある応接室で待つことになった。
「お話が終わったらすぐだって言ってたけど・・・」
なれない部屋で落ち着かない。
すぐに来てくれると聞いてたが何時間も待たされて、自分なんか忘れちゃって帰られてしまったのではないかと思うほど長く感じる。
実際は30分も経ってないのに。
ふうとため息をついたところで部屋のドアが開いた。
シオンとゆうまだ。
ゆうまは仕事が終わり、白衣を脱いでカッターシャツに生地が薄めの紺色のパーカーをはおり、スラックスズボンの姿で立っていた。
シオンはまだまだ仕事中なのでいつものスーツ姿だ。片手になにやら書類を抱えていた。
「すみませんね。唐突だったので。こちらになるんですが・・・」
すまなそうにシオンがゆうまに書類を渡した。
「これね。本当に唐突だね。書類に目を通す暇もないなんて・・・うち、まだ2人入ったばかりで生徒同士でもまだ少し落ち着いてないし、余裕ないよ?ま、本人前に知らない顔とかできないし・・・」
ふうとため息をつきながら書類の方に目を通していく。
そこには自分のことがたくさん書いてあるんだろう。
きっと受け持つにあたって大切なことが書いてあるんだろうとササメにもよくわかった。
希望してます。じゃあうちに来てくださいとか簡単なことじゃないことは明らかだ。
受け持つ教師の条件とかもたくさんあるんだろうなとはわかる。
「えっと?ササメ君って言うの?ああ、なるほどね。だからミケと似てるんだ」
ゆうまは納得するようにうんうんとうなずいてる。
「シオンさん、さっき後ろから見たらミケかと思って。何、シオンさんに絡んでるんかってびっくりした。そしたら、違う子なんだよな~よくよく考えたら今日、ミケは朝から仕事に行ってるし」
先ほどまでの真剣な顔ではなくゆうまは笑っていった。
急にあんなことになってあまり良い顔をしてないんじゃないか?と思ったが思ったより自分の事をおこってないんだろうか?とササメは考えた。
「ササメ君は一応、少人数希望なの?うちは大人数クラスだけど?多分、俺は少人数クラスより1人をゆっくり、じっくり見れないと思うよ?それでもいいのかな?」
「あと、他に生徒が7人いる。みんな仲良く行けばいいけど、中には気が合わないとか苦手な子もいるかもだけど大丈夫?」
「一番心配なのはこれかな?ミケがうちに来てから3年経つ。キツネだった時と環境とかガラッと変わってるし、きっと動物だった時と性格が変わってると思う。当時の時と同じように~と、思ってても実際、会ってみたらまったく性格変わっててひょっとしたら一緒に居づらいとかあるかもしれないけど平気?」
「それでもかまわないって言うならいいけど。さっきも言ったけど俺、今は手いっぱいで無理。きっとミケという兄弟の存在を知ったからうちに来てミケといっしょに勉強したいとかだろうけど、ミケの方が早く来てるわけだし、ササメ君と学年違うよ?もう少し冷静に考えてみてね。まあ大人数は大人数でみんなでわいわい色々やれるとか助け合えるとかメリットもあるけど、時間あるから1人で暫く考えておいて」
「・・・・はい」
「あ。そうだ!ササメ君もし、うちへ来てもミケのクラスは今の所、満杯なんだ。他のクラスで良ければ。まあクラス違っても行動はほとんどいっしょなんだけどね」
「へ!?あ、はい」
「と、いうわけです。シオンさん、急すぎるのでミケと兄弟みたいだし、普段はばっさり断っちゃうけどササメ君の他の先生の所へ行かせるのは今は保留にしといて。俺も少し考えてみる」
「わかりました。じゃあ、ササメ君の件は保留という形で・・・」
その日はそのまま話し合いは終わった。
少しは進展したんだろうなと自分にもわかった。
後は自分がどうするか?
ゆうま先生の所はシオンも言ってた通り、大型クラス。
他の生徒とうまくいくのだろうか?という不安。
子狐の頃、よく仲良く遊んだミケは人の姿になってどうなってるのだろうか?という心配と期待。
ササメの心はドキドキでいっぱいだった。

それから一ヶ月・・・・・・・・・・・

いつものように研究所にいっしょにいる仲間たちと仲良くササメは外の庭の芝生で座談会をしていた。
「ササメってさ~医療部の白衣の天使様に猛烈アタックしたんだっけ?でも1ヶ月たっても返事なしなんでしょ?」
「うん、そうなんだ~やっぱり嫌だったんかな?」
「ゆうま先生のこと?結構人気だもんね。ぼくもさ~振られた!」
「注射とかあの人だったら優しくしてくれるから怖くなくってあっという間に終わるんだよ?絶対に膝枕とかしてくれて撫ぜてくれそうなくらい優しそうなのに~医療部の白衣の天使様~!!」
「え?確かに天使だけどさ~俺はあの人、俺たちと同じ擬人みたいじゃん!この前、偶然しっぽと耳出して歩いてるとこみちゃってさあ~人として生活してるみたいだし、親近感わくというか・・・・でも俺も振られたー!アニマル部の眼鏡のおっさん、ガード固いんだよう~」
そう話してたところで黒のスーツを着た、赤い髪の青年が自分たちの所へかけてきた。
さっきから必死に探してたらしく、傍に来た時は息を切らせていた。
「あーいたいた!もうすっごく探したっすよ!ササメ君、ゆうま先生から手紙!来てもいいよっていってました!」
ササメの手にそっと白い封筒が手渡された。
「え!?ゆうま先生が?ぼ、ぼくでいいの?本当に勉強を見てくれるの?嘘じゃないんだよね?」
「マジ!?ササメが?ラッキーじゃん。白い白衣の天使様ゲット!」
「なんで?ヨウタ兄さん、俺は?俺!俺もゆうま先生の所行きたーい!!」
「ササメ君だけっすよ!それ以外はシオン先輩から聞いてません。手紙に詳しい日付、家までの地図、鍵はゆうま先生んちはカードキーなんでカードが入ってます。無くさないようにしてください。これから人間になるために頑張って!」
嘘のようにササメにとってはうれしいできごとだった。
研究所を出て最初の勉強はこれからお世話になる先生のおうちまで一人で探して行くことになる。
手紙には引き取ることになる先生が地図付きで詳しく交通手段なり行き方を詳しく書いてくれる。
それにそってただ行くわけだが人の姿をもらったばかりの彼らにとって意外に難関になる。
例え研究所の近くだとしても。
「でも、ゆうま先生のおうちまでぼく、1人で行けるかな?」
ササメは急に不安になった。
「大丈夫。ゆうま先生のおうちはここ(擬人研究所)から比較的、近くだから簡単にいけるよ。ただ、セキュリティが厳しいマンションだからそこだけが難関っすね。当日は許可が下りてるから心配はないよ!」
ヨウタは心配になって目を曇らせるササメの肩をぽんと軽く叩いた。
「うん、がんばってみる」
つられるようにササメもうなずいた。

そして、ササメが来ることになった当日のゆうま宅。

「うん、ゆうまメイクばっちりよ。さすが俺の先生ね。かわいいわあ~んふふふふ。よく似合ってる」
自分の思った通り化粧ができて嬉しそうにしてるのはキツネのツバキ。
最初からオネエの気があるので男の野太い声にもかかわらず、女の人のようなしゃべり口調だ。
「は!?褒められてもちっともうれしくなーい!!なんでこうなったんだ!?なんでハートの女王だ!」
不機嫌にしてるのはばっちりと顔を女性に見せかけてメイクされ、青のハートの女王のドレスを着せられた先生であるゆうま。
「しかたないじゃない。くじでそれを引いたのはゆうまでしょ?ほら、女王様、かわいくティアラつけてあげるわ。かわいいんだから笑いなさいよ!笑顔、笑顔!」
大切そうにバラのコサージュがついたティアラを持ちながらツバキは言った。
「確かにさ、俺は自分が着たい服とか人に着せたい服とか紙にみんなで書いてくじ引いて新しい子を迎える時に着よう!って提案したよ?なんでこうなったんだ!?」
自分のくじ運の悪さにゆうまはため息が漏れる。
「ああ、あれのこと?みーんなエプロンドレスみたいなショートパンツというかかぼちゃパンツのアリスのこと?と、執事みたいな服書いたのはミケで当たったのはユウだっけ?で、ゆうまは~俺が書いたハートの女王様なのよねえ~そのドレス素敵じゃない!良いと思うのよね~」
1人楽しそうにしてるのはツバキだけ。
「と、いうゆうまだって書いたんでしょ?自分が書いたのを取らなきゃってかわいくってあまり着たくないのを書いたんでしょ?自業自得よ。俺はこの服もかわいくって気に入ってたからかまわないけどお~」
「う、うん、そうだね。だから、みんなで女王様と召使いな設定にして。でもさ、最初っからこれじゃあドン引きだって!俺、女装趣味の変な人だって思われる~」
「あらあらそう?私は大歓迎よ♪ゆうま、そのかっこうでいつもいればいいじゃない。似合ってるもの」
ニコニコしながらツバキは喜んでるがゆうまはそんな気分になれず。
他の生徒にもまだ着終わった自分を見せないでいる。
せめてササメが早く来てくれれば・・・そう思うのだがなかなかマンションの1階についたという連絡は来ない。
「なかなか来ないな」
うちに来るの、難しいのかな?迷いやすいのかな?と思いながら机の上に置いたままになってる携帯に目をやりながらため息をもらした。
「もう、女王様さっきから何回ため息を?かわいい顔が台無しよ!」
「・・・・ツバキは楽しそうだな」
「ああーん!もう、他のオスの話でため息ばっかり!許さないわよおー!」
「ゆうま先生、着替え終わりました?お茶でも飲みませんか?ツバキもいかがです?」
突然、部屋のドアが開いたと思ったら黒の執事服を着たユウだ。
手にはティーポットを持っていた。
「うん、飲む!ユウが淹れるお茶おいしいもん。リビングの方に行こうかな?みんなももう着替えて揃ってる?」
すっと立ったところで裾を踏んでしまいゆうまはよろけた。
もう少しで転ぶところだったが傍にいたツバキに支えられ無事だった。
「ほら、裾もってお姫様らしくしずしずとお淑やかに歩かなきゃ。あと、いつもみたいに男っぽく歩くの禁止よ!美しくないわ!」
まるでツバキはお姫様?女王様?の教育係のようにゆうまに言った。
が、ゆうまはツバキの言ったことに反抗するかのようにドレスの裾をがばっと持ち上げるといつもよりもドカドカと歩いた。
そのせいか、中にはいてるパニエと膝まで足が見え、見るのも無残だ。
さらに歩きにくいらしく履いていたヒールの靴も脱いで手で持って歩く始末。
「残念!俺、男だから無理。お姫様でもないから!」
ゆうまはにっこり笑って見せた。
「ぎゃあああああー!ゆうま、やめてえええー!美しくなさすぎよお~!!」
背後には野太い声で悲鳴を上げるツバキだけ。
「あ。ごめん、ユウは俺の世話係なんだっけ?ちょっと携帯だけ持ってきて~もうね、歩きにくいったら!」
「はい。これですね。ゆうま先生似合ってますが災難ですね」
「ん~このかっこうを褒められてもな。とんでもない災難だよ。ユウはラッキーだったな。すっごく似合ってる。あとのメンバー見るの怖いような?楽しみのような?」
「おもしろいですよ!みんな、先生が来るの待ってます」
そっとみんなが揃ってるリビングのドアをユウがあけた。
メイド(実際はアリスのエプロンドレスだが)の生徒達とゆうまで歓声があがる。
「ゆ、ゆうまにあってるぞ!絶対、メスと勘違いされる」
真っ先にいったのはハヤテ。
「ハヤテはやっぱり無理無理感ハンパないな」
笑いをこらえながらゆうまは話す。
「ゆうまちゃん、かわいい!俺はどうかな?似合ってる?女王様~」
次に話したのはレン。
「うん、おもしろい」
「俺は?似合ってるとか可愛いといったら怒るぞ!」
顔真っ赤に言ったのはアヤト。
「アヤトもこのかっこう嫌いだったもんね。でも似合ってるけど?」
クスリと笑いながらゆうまは答えた。
「あー!言ったなー!お前だってまんまメスだぞ!新入りに勘違いされて泣け~!」
「ふふふ、アヤト君もな」
そういってアヤトとゆうまは笑いあった。
「それより、巴衛のやつが似合ってるんだ。見てやれ!」
思い立ったように言ったかと思ったら奥からアヤトは巴衛の手を引いて来た。
「えっと・・・ゆ、ゆうまさん・・・」
顔が明らかに真っ赤。
一番かわいいピンク色のアリスドレスを誰かが着せたのだろう。
恥ずかしくってと言わんばかりにモジモジしていた。
「え!?巴衛、かわいいよ。俺のお嫁さんになる?」
「ふえ!?お、およめさん??」
「そ。俺のお嫁さん。どう?」
「・・・・・・おむこさんじゃダメですか?どっちかというとゆうまさんをお嫁さんにしたいです」
「え!?俺を?じゃあ巴衛のお嫁さんになっちゃおうかな?なーんて♪で、あれ?」
一人足りないことに気がつき、ゆうまはきょろきょろした。
「ねえ、ミケは?どこいった?」
傍にいた生徒たちに聞いた。
が、全員そろって顔を横にふるばかり。
「さっきからそう言えば見ないわねえ」
ツバキが頭をかしげながら答えた。
「外に行った形跡もないし・・・・」
「そう。じゃあ・・・・ミケくーん、どこに隠れたのかな?自分だけずるいぞー!そのまま隠れたままでいるんだったらあ・・・・・」
何をしてやろうかと考えてたが残念なことにミケはあっけなく出てきた。
真っ白のフリフリのアリス服。
みんなとお揃いのかぼちゃパンツにフリフリなレースがついたブラウスに短い丈のフリフリエプロン。
少女のような恰好をさせられ、ミケは恥ずかしそうに真っ赤な顔で出てきた。
「うまく後ろのリボンができなかったから戸惑っただけだ」
どうやらミケは自室で着替えたはいいが後ろのリボンがうまくできなくてとまどっていただけで逃げたわけではなかったようだ。
「なーんだ!逃げたんじゃなかったの?見つけたら何してやろうか?って、ワクワクだったのになあ~」
残念そうにため息をつくとミケの前に立った。
「後ろのリボン見せて。ああ、縦結びになってる。直してやるから」
「ありがとう。ところでササメは?連絡はまだか?」
「うん、まだ。研究所は出てるみたいなんだけどね。結構、戸惑ってるみたい。ミケ×2見るの楽しみなんだけどなあ」
「新しい子、そんなにミケさんに似てるんですか!?」
「似てる、似てる!俺、最初ミケと間違えたもん!きっと見たらユウもびっくりするぞー!」
「そんなに?それは楽しみです。それはそうと遅いですね」
「うちに来るのそんなに難しい?研究所から近いし、ここのマンション目立つと思うけどなあ?」
心配そうにゆうまはため息をついた。
いつになったら着くのか?
今まで7人もの生徒を迎えてるが迷っていてもここまで時間がかからなかった気がする。
「事故でもあってなきゃいいけど・・・ん?」
やっと、携帯電話の着信音がなる。
「お。入口についたみたいだ」
と、さっきまで顔を曇らせていたゆうまの顔がぱっと明るくなった。
が、すぐに着信名を見てそのササメからではなくがっかり感と同時に驚きの目をする。
「え?実家から?どうしたんだろう?」
着信名からすると実家の固定電話からだ。
恐らく、実家で父親たちのどちらかに何かあったかで使用人が電話してきたのだろう。
取り合えず、電話を取ることにした。
「もしもし?」
『ゆうま様、ゆうま様専属第一執事の水嶋秋都です。ご無沙汰してます』
「え!?水嶋?久しぶり!どうしたの?元気?俺は元気だから心配しないで!じゃ、切るよ」
『ゆうま様のご機嫌伺いで電話したわけではありません!」
「何?小言なら聞きたくない」
『いいかげんになさい!そんなんで電話しません』
「じゃあなに?」
『ササメという人がゆうま様にホームステイで勉強を教えてもらう約束してるから合わせてほしいと来てるのですが?ご存知ですか?』
「へ?ササメがなんでそっちに来てるの?俺、今の自分の住んでる所を研究所に教えたけど・・・で、ずっと待ってたんだけど・・・何でそっちに?」
どうやら手違いが起こったらしい。

つづく
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