【擬人カレシ】ミケの日常(小説)

ササメが来た日のできごと 2

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「うん・・・ごめん・・・・本当だったらそうしてもらった方がいいけど。研究所から言われていて最初の学習にならないから俺んちの行き方だけ教えてあげて・・・ん?」
ゆうまと家の人と何か打ち合わせしてるらしく暫く会話は続いた。
その様子を見ながら生徒達も心配そうに見ていた。

「なんか、間違いが発生したみたいだね?」
ゆうまのいる部屋をそっと扉から覗きながら巴衛が言った。
「・・・みたいだな」
それに同じく覗きながらため息交じりにミケも言った。
それにツバキも。
「なんか、たいへんねえ~」
「ねえねえ!ところで~ゆうまちゃんちの実家のおうちってどんな感じなんだろ?行ったことないよねえ~」
急に突拍子もないことを言ったのはレン。
「お前、急に何を?」
呆れたといわんばかりに兄のハヤテがため息をついた。
が、気になるらしくすぐそばにいるアヤトに「どんな?」と話を振った。
「は?まあ庭があって家があって普通!ここより部屋が広いってだけ」
「そっか~普通か~」
そういったところでマンションエントランスのドアのチャイムが鳴る。
携帯を手に取りながらゆうまは何やら怒ってる。
「はあ!?乗せてきた!?もう入口!?さっきと言ってることが違う!まさか、父さんとパパも一緒にいるとか言わないだろうな!?・・・・・よかったそっか~」
ふわりと青のドレスのスカートの裾を持ちながらリビングのソファに座った。
「で?ササメは?かわって!水嶋はそこまででいいから。今、俺はそこまで行けないし。え!?父さんとパパが?わかったって!今度の休みにでも・・・・」
ふうとため息をつきながらゆうまは暫く黙ったと思ったらやっと目的の相手、ササメと話す。
「ササメ、大丈夫?みんなで待ってるから。今、玄関のドア解除するから入ったら入口のコンシェルジュの人に話通してあるから名前言って俺んちに来て。できるな。てか、やれ!」
ふうとため息をつきながらゆうまは電話を置いた。
そして、心配そうに自分を見ている生徒たちに声をかけた。
「ササメ、もうすぐ来るから準備して!」
それぞれにうなずくとアリス服の生徒は玄関に行く。
執事服を着たユウだけがゆうまの傍にいる。
「お茶はフルーツティーあたりで?」
「うん、そうだね。あれだったら紅茶でも飲みやすいと思うしね。ユウご自慢の出してあげて」
ゆうまは嬉しそうに笑った。
それにユウも嬉しそうにうなずいた。
台所に消えるユウを見送りながら又、ため息をつく。
「これで8人目。気を引き締めなきゃな」

ようやく来たようで玄関からにぎやかな声がする。
「いらっしゃーい!!」
「あ、あの・・・・」
他の生徒たちの格好に戸惑うササメの声。
そりゃあそうだ。
みんなそろって生徒がフリル沢山のエプロンにかぼちゃパンツにかわいらしいリボンがついたブラウスを着てるのだから。
「ササメ、元気だったか?ゆうまは中で待ってる」
兄弟をエスコートするように声をかけるミケの声。
「ずっと女王様は君が来るのをまってたんだよ?ゆうまちゃーん!来たよー!!」
そう言ってレンがリビングの扉を開いた。
ササメから見る視線。
そこには女王をエスコートするように立ってる黒の執事服を着た黒髪の青年。
当然、きらびやかな青いドレスを着たゆうまが飛び込んでくる。
彼は・・・彼女だったか?
一瞬、自分でもわからない。
ただただすごくきれいで可愛らしくて驚くことしかできなかった。
これからこの人に教えてもらうのだろうか?
それより、あまりの驚きと緊張でどう話しかけていいのやら。
そう戸惑ってるとゆうまの方から立ち上がり、声をかけた。
「ササメ、大丈夫だった?俺、ここの住所教えたつもりだったけど、俺の実家の方のになってた?ごめんな。ちょっと手違いあったみたいだな」
そのつづきも何か話そうとゆうまはしたがそれはさえぎられることになる。
ゆうまの実家がどうなってるのか?気になってる生徒たちがわらわらとやってきて色々、実家について質問攻めを始めた。
「ゆうまさんの・・・・ご実家ですか・・・・?」
最初に首をかしげたのは傍にいた、ユウ。
そういわれれば、行ったことがないなと。
誰もそうだった。
あの、ずっとどの生徒よりも傍にいるミケさえも。
「なあ、ササメゆうまんちってどんなんだ?」
「行ったことないんだよねえ?」
「いいなあ~僕も行ったことない」
「あら!?新入りの癖に誰よりも真っ先にゆうまのご両親に挨拶しに行くなんて生意気よ~!」
「これはじっくり後で尋問しなきゃだな」
ポンとハヤテが手をササメの肩に置くとササメはびくりとなった。
「え・・・あの・・・・えっと・・・・」
ササメはみるみる体を震わせ、眼にはたくさんの涙をため込んだ。
あまりの恐怖で耳としっぽも出てしまっていたが当の本人はそれも気がつかずにいた。
どうしよう、どうしよう~とんでもないことしちゃったのかな?ゆうまさんのご実家の事はトップシークレットできっと知っちゃダメだったんだ。
それを行っちゃったから・・・先住の生徒たちに目をつけられちゃって・・・・・
このあと待ってるのは最悪な結末・・・・・!?

「・・・・大丈夫だよ。極度の緊張から倒れただけみたい。脈もちゃんとあるし、大丈夫!たまに新入りの子に起こる症状だから・・・・ほら、みんな心配するなって!」
「ゆうまちゃん、毛布もってきたよ~」
「ありがとう、レン」
「ゆうま、本当に大丈夫なのか?」
「あのねえ~俺は擬人の医師なんです!これくらいの症状だったら処置できますって!幸い俺の方に倒れたのが・・・ん?」
朦朧とする意識の中、眼が覚めた、ササメ。
気がつくとドレスを着たゆうまに膝枕され、自分はソファに寝ていた。
「おはよう。目が覚めた?」
ゆうまの顔がすぐに入る。
「お、おはようございます・・・・て、あれ?・・・・・ひゃあああああー!ゆうま先生、ごめんなさい、ごめんなさい!え?どうして?どうして??」
ササメは驚いて体を起こし、ゆうまの前に立った。
とっても失礼なことしてしまったとワタワタしてしまったが当のゆうまは気にしてもないようでササメの行動を不思議そうにみていた。
「ササメ、倒れたんだよ。極度のストレスだね。今日、いろいろあったから疲れちゃった?」
ゆうまはササメを気遣いながらにっこりと笑った。
「でも倒れた時、運がよかったよ。俺の所に倒れこんだからね。これが床とか壁とか家具の角だったら大変なことになってたけどね。に、しても・・・・・」
クスクスとゆうまが急に笑いを堪えながら震えだした。
「寝顔とかミケとそっくりなのに性格が・・・一緒に生まれた兄弟なのにこうも違うの!?」
「へ!?」
「ん!?」
ササメは目をぱちくりさせミケもササメの隣に着て二人で顔を見合わせ、首をかしげた。
「ま、いいや。これから楽しくなりそうだし!ところで・・・ユウ、例の物持ってきて!」
「あれを・・・ですか?」
なぜか初対面のササメでもわかるほど生徒たちが動揺する。
これから何が?
「そう。だって俺、研究所のあのどっかの工場の作業着みたいな服?制服?嫌いだもん!すぐに脱がせたい!この前も他の先生と話してたけどもっとこうさ~かっこいい制服とかなんないかなって思うんだよね」
ふうとゆうまはため息をつく。
ゆうは言われたとおりに持ってくるとそれを手に取って満足げだ。
「はい、これに着替えてね。あ。まだ部屋教えてなかったな。まあ、それは後としてミケの部屋で着替えてきて」
すっと立ち上がるとゆうまはササメの傍で耳打ちした。
「大丈夫だよ。それに着替えたらみんなでお茶にしよ。クッキーとか用意してる。これからとっても楽しくなるから。ね、アリス・・・・」
「えっと・・・名前、アリスじゃ・・・・」
ササメはアリスじゃないといったが今のゆうまに言っても無駄な気がした。
ゆうまの笑顔にさからえないと思った。
そういえば、アリスの話と言えば?ササメは話を思い返してみた。
ハートの女王は気に入らなかったら『首をはねる』?
流石にそれはないにしても逆らったらどうなるのか?想像もできなかった。
1人、ミケの部屋に案内され渡された服。
それは水色の可愛らしいアリスの服。
ササメは服に手を通しながら考えていた。
この可愛らしい服を?
そういえば、みんなも同じで色違いの服を着てた。
実はゆうま先生はとんでもない性癖の持ち主?
不安に駆られながらリビングに戻ると先ほどまでと違い、テーブルにはたくさんのお茶菓子やらサンドウィッチといった軽食が並んでいた。
「8人目の生徒、ササメ。ようこそ!我が家へ。どうぞ、真ん中の席に座って!」
嬉しそうに笑って、女王様のゆうまは真ん中の席にササメを案内する。
そして、他の生徒と和やかに会食が始まり、ようやくササメも気分的に落ち着くことができた。
ゆうまが一人の生徒の疑問にこたえるまでは・・・
「ゆうま、あれだけ7人で打ち止めって言ってたのに又、入れるとはどんな気の変化だ?」
不思議そうに言ったのはアヤトだった。
「ああそれ?ササメに熱烈アタックされたんだよ。俺がミケと似たような顔で言われて断れると思う?すっかり絆されちゃってさ」
何事もなかったようにゆうまは紅茶が入ったティーカップを手に取り少し飲む。
「あーあ、被害者か!?ゆうまなんかに教えてもらったらとんだノーテンキになるの確定だなあ~」
アヤトは大きくため息をついた。
「失礼な!あ・や・と・く~ん、今すぐ『おあずけ』する?それとも『ハウス』する?」
顔を引きつらせながらゆうまが言うとアヤトは首を横に振りながら答えた。
「どっちも嫌!・・・・あ!ハヤテ、それなんだ?うまそう!俺にもくれ!」
そういうと、ハヤテの方に行ってしまった。
それをみながら、ササメにこそっとゆうまは小さな声で言った。
「に、してもうちに来たいなんて。ミケの事あるにしても実質、研究員が見る子っていつでも情報取れるってことで出戻りの子とか一般の先生では預かって難しい子とかなんだけどね」
「へ!?」
ササメはそれを聞いてかたまった。
「ミケの場合は本人の希望もあったみたいだけど、最初なんてうまく話せなくって。言葉がなんせ全然ダメだったから・・・」
「え!?そうなんですか?」
「巴衛は人工飼育で育ててたから俺の子供みたいなもんだし~レンはナンパ癖がネックだったか?」
ゆうまからその言葉が出てくるとササメは驚いた。
「ハヤテは今はミケと並んで頼れるお兄さん的存在だけど、オオカミの群れのボスだってことで扱いにくいとか怖がられてなかなか引き取り手みつからなかったんだよ」
「ユウは賢いのはいいけど、それが災いして前の先生を質問攻めにしてノックダウンさせちゃって、出戻り。ツバキは気持ち悪がられて出戻り。別に俺は気にならないし、問題ないと思うんだけどね。アヤトは性格で敬遠され・・・まあケモノの時から俺にしか懐いてなかったけどさ・・・」
ふうとゆうまはため息をついた。
「みんな人間になりたくってがんばってるのにいろいろ事情を抱えてうちに来てるんだよ」
「研究所のアニマル部が徹底的にサポートする条件で俺も引き取ってる。それでもこっちにもいつも不安はあるわけ。仕事があるし、その合間に生徒の面倒。うまく教えれるかとか、両立できるか?て。だけどね・・・」
又、一口紅茶を飲んだ。
そして、にっこりと笑ってササメに告げた。
「実際住んでみるとみんな、それぞれ良い所たくさん持ってて。こっちがびっくりするくらい。きっとササメも仲良く楽しくホームステイできると思う。だから、心配しなくても・・・・ね」
ゆうまの言葉で他の生徒の顔を見回すとみんなそれぞれ笑いながら会食していた。
本当に楽しそうに。
「ところで・・・・」
ササメはゆうまにある疑問をぶつけた。
「ゆうまさんは女性だったんですか?すみません、ずっと男の人とばかり・・・」
その言葉にゆうまは固まった。
そして、顔を引きつらせながら答えた。
「・・・・・ササメ君、俺はね、君と同じモノついてるよ」
「じゃあ・・・・?」
「女装趣味でもないからね!あと疑問はある?」
顔をひきつらせたゆうまにふるふるとササメは顔を横に振った。
「あ。ササメはアヤトと同じ3組ね」
「は、はい」
「これからよろしくね!あ。夜、困ったことがあったらベランダからおいで。夜にドア開けると他の部屋の人に迷惑かかるし」

その日の夜、ササメの部屋にアヤト、レン、ツバキが集まった。
「え!?ゆうまちゃんにそれ言っちゃったの?」
「あいつ道理であのおやつの後から機嫌が悪いんだ」
「まあ、夜は恋人に添い寝して貰うからご機嫌治るでしょうから気にしなくっても大丈夫よお」
「言えてる。昼間の我慢が爆発!って感じだもんな」
「よくわからないけど?」
「昼間のはゆうまの可愛らしい趣味なのよ。なーんかあの子ってばアリスがお気に入りなのよ」
「服は結果、引っ掛け合いになっちゃってコンセプトがずれて女王様と愉快なメイドとかわけわかんないことになっちゃったけどねえ~」
レンが言ったことにアヤトもうんうんとうなずいた。
「そうそう、忘れないうちにササメちゃんには生徒間の暗黙のルールがあるからいっておかなきゃね!」
とは言え、そう言って話すのもなんだかなと感じとられるが。
「あら!それもそうね。私も最初、知らずにやらかしちゃってゆうま、泣かせちゃったもの。あの時はかわいそうなことしちゃったわあ」
ツバキは思い出しながらはあと大きく息を吐いた。
アヤトが同じ部屋の仲間だしということでゆっくりと話し始めた。
それはアヤトにとって大切な飼い主をいたわるかのような話し方であった。
「あいつ、俺たちの面倒ずっと見てるからプライベート時間がほとんどないんだよな。だから夕方、5時以降は勉強の話とか一切禁止。ゆうまが夜にどっかに行くとか言ってもあっちが一緒に行こうと言わない限り同伴外出禁止!特に夜、あいつの部屋に行くの禁止!お前の為だ。わかったな!」
「急に言われても・・・」
ササメは戸惑った。
「すぐにわかるよお~ここは家が別だからいいよ~俺なんて1組だよ~セパレートタイプの部屋らしいけど、ゆうまちゃんと同じおうちみたいなものだし~」
意味深なレンのセリフ。
一体、ゆうまには夜、何がおこると言うのだろうか?そこまで生徒たちがこぞって気をかける理由はなんなのか?首をかしげるしかなかった。
そんなササメの疑問。
それはすぐにわかることとなった。

家に来てから2日目の夜の事。
どうしても眠れなくなってしまった。
もともと動物な彼らはそんな時は一緒に先生と寝てもらうという習慣があった。
が、先輩生徒達のセリフ。
気になったがどうしても寝付くまで一緒にいてもらいたくなった。
そう緊張することもないだろうに深呼吸をして自分の部屋を出て『夜に部屋に来る時は他の生徒の睡眠の妨げになるからベランダから』と言われてたのを思い出し、一番ベランダ側にあるリビングへ。
カーテンをそっと開けると月が輝いていた。
『夜はあいつ(ゆうま)の部屋へ行くの禁止!』という言葉を思い出したが当のゆうまは来るなともなんとも言ってなかった。
でも生徒たちは・・・一瞬、戸惑ったがベランダ側のガラス窓を開け、ゆうまがいる部屋のリビングの前まで。
あの日、昼間ゆうまが言ってた通り、片方の窓は施錠されてなかった。
そっと開けると不自然にあるリビングにある引き戸の前に。
そこがゆうまの部屋の入口。
手をかけると中から何やら声が。
「ん・・・もう・・・ぁ・・・・」
「少しケモノ化進んだか?それじゃあほとんど俺たちと変わらんぞ?」
「あぁ・・・ち、ちがう・・・」
「しっぽ振ってかわいいことばっかり言って・・・ん・・・」
「やらあああ・・・そこかぷってしながら・・・そんな・・・」
「相変わらず、かわいい声で鳴くな・・・」
誰か自分の他に先に部屋の中にいた。
に、してもこれはどういうことだろうか?
何かいつもと違うような気が?気のせいだろうか?
そっとドアを開けた。
その瞬間にササメと中にいた人物達は固まる。
「え!?ええええええ!!!!」
先に驚いて声を出したのはササメの方だった。
それもそのはず。
目に飛び込んできたのは布団の上で耳としっぽが生え、生まれたままの姿のゆうまが仰向けになり、自分の兄弟のミケがそのゆうまの上に覆いかぶさって口付けしていたのだ。
「え!?あ!ぎゃああああああー!ミケのばかばかばかー!又、ドアをロックするの忘れたー!信じらんない!」
涙目になりながらゆうまが取り乱す。
ミケも又、無言ではあったがキッと睨みつけると良い所でじゃまするなと言わんばかりに傍に置いてあった枕を思いっきりササメの方に投げつけた。
「馬鹿ササメ!出てけっ!!」
「ひゃああああああー!ご、ごめんなさい!!」
急いで閉めて自分の部屋へ戻った。
息を整えて深呼吸をして・・・・
いくら動物から人になったばかりのササメにも理解ができた。
「び、びっくりした。ミケとゆうま先生が・・・・こ、恋人!?」
しかもかなり親密な。
だから、みんな夜に部屋へは行くなと。
そして、翌朝ササメは先輩生徒から呆れたと言わんばかりにため息をつかれることになる。

おわり
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